肩腱板損傷・肩腱板断裂

腱板けんばんってなに?

腱板は棘上筋きょくじょうきん棘下筋きょくかきん肩甲下筋けんこうかきん小円筋しょうえんきんという4つの筋肉で構成されています。
肩のわずかな動きを調整する働きがあります。

腱板損傷けんばんそんしょう・肩腱板断裂けんばんだんれつとは

これらの腱板とよばれる筋肉のいずれかが損傷や断裂することを腱板損傷・腱板断裂といいます。
40歳以上の男性に多く(最も多いのは60代)みられます。

 

症状

  • 手を挙げる時に力が入らない
  • 腕を降ろす時に痛い
  • 手が後ろに回らない
  • 夜痛くて目が覚める
  • 反対側の手で助けると挙げられる

 

特徴的な手の挙げ方

腱板損傷・断裂があると、手を挙げることが難しくなります。
手を挙げようと思ってもうまく力が入らないために、肩をすくめるようにしたり、体を横に傾けたりと特徴的な手の挙げ方になります。

原因

転んで手をつくなど、ケガにより損傷・断裂します。
または、加齢にともない弱くなった筋肉に、わずかな外力が加わることでも断裂してしまうこともあります。

 

どんな検査をするの?

問診では、痛みが出た当時の状況や痛みの状態を確認します。
視診・触診により、押さえて痛い場所、筋肉が痩せていないか、肩の動きなどを詳細に診ていきます。
これらの所見と併せて、病院でのレントゲンやMRIなどの画像検査により確定診断がなされます。

ペインフルアークサイン
腕を横から挙げ降ろしする際に、腱板損傷・断裂があると60°~120°の間に痛みが生じます。


ドロップアームサイン
患者さんの腕を90°まで横から挙げます
手を離して、患者さんがその状態を保持できるか、または、ゆっくりと腕を降ろすことができるかを検査します
腱板損傷・断裂があると、腕を保持できなかったり、脱力感をともなって腕が降下します

 

どんな治療があるの?

  1. 患部の安静
  2. 超音波療法
  3. 関節可動域訓練
  4. 筋力トレーニング
  5. テーピング
  6. 完全断裂や改善がみられないものは手術

 

夜の痛みに対する対応

夜中の痛みのせいで睡眠が妨げられるのは辛いものです。夜中の痛みが起こる原因はさまざまです。
関節が安定していて楽な姿勢を見つけることが大切です。
「寝返りすると効果がないのでは?」と思われるかもしれませんが、人間の睡眠は約90分で1周期だといわれています。
まずは2周期、3時間しっかり眠れることを目指しましょう。
これが傷んだ組織の修復につながります。

 

超音波療法

腱板は肩の深層に位置する筋肉であるため、なかなか手では届きにくい部分です。超音波治療気を使い、1秒間に100万回(1MHz)または300万回(3MHz)の高速度振動で、筋肉に直接刺激を与えます。
患部の血流の改善、筋肉の緊張の軽減、消炎鎮痛などに効果があります。

 

テーピング

キネシオテープという特殊な素材でできたテープを用いてテーピングを貼ることで、皮膚を持ち上げ筋肉との間に隙間を作りリンパの滞りを改善し、筋肉の正しい収縮をサポートします。これにより腱板の損傷部分の治癒を早めたり、傷んだ腱板の負担を軽減したりできます。


(図;www.kinesiotaping.jpより引用)

 

どのくらい安静にすればいいの?

腕の重さは片腕だけでも3~4キロも あります。炎症を起こした肩に3~4キロもの重りをぶら下げていては組織の修復が妨げられてしまいます。三角巾などを使って腕を吊り腕の重さを取り除くことも大切です。
上着のポケットに親指をひっかけるだけでも肩にかかる腕の重さや歩くときの腕の揺れを軽減できます。痛みでガチガチに力が入っていると、循環を損ね2次的な問題を引き起こしてしまいます。
「安静」とは「動かさない」ことだけではなく、「いかに力を抜いて楽にできるか」がポイントです。