前十字靱帯損傷のメカニズムや治療法【金沢市のアルコット接骨院/疾患コラムvol.021】

金沢市のアルコット接骨院です。
今回は膝のスポーツ外傷のうち、ラグビーやバスケット、柔道、スキーなどに多い前十字靭帯損傷について解説します。
前十字靭帯は膝の関節の中にあり、すねの骨が前にずれるのを防ぐ役割があるため、この靭帯が損傷してしまうと、膝くずれなどの不安定感を残すため注意が必要です。

前十字靱帯ぜんじゅうじじんたいってなに?

膝の関節の中にあって太ももの骨とすねの骨を結ぶ靱帯です。
すねの骨が前へずれたり内側に捻れたり、また膝が過剰に反るのを防ぐストッパーの役割をしています。

前十字靭帯とは

 

 

前十字靱帯損傷とは

前十字靱帯に強い力や捻る力が加わると、靱帯が損傷してしまいます。
損傷の形態には、完全断裂、部分断裂、弛緩等があります。

前十字靭帯損傷

 

症状

  • 受傷した際に、ぶちっと切れた音が聞こえる(pop音)
  • 受傷直後は膝の腫れや痛み(その後1~2週ほどで歩行ができる)
  • 不安定感
  • 膝くずれ(giving way)
  • 脱力感
  • 正座ができない

前十字靭帯損傷

 

原因

原因は直接膝をぶつけるなどして起こる接触型(コンタクトタイプ)と、バスケットやサッカーでの切り返し、スキーでの転倒などの非接触型(ノンコンタクトタイプ)に分けられます。

非接触型では、膝が内側に入った状態(knee-in)で、捻るために受傷するケースが多いとの報告があります。典型的な損傷例では、つま先が外側を向いるときに(toe-out)、膝が内側に捻ることで損傷します。

 

どんな検査をするの?

前十字靱帯損傷の検査では前方引出し現象、ラックマンテスト(膝約20度屈曲位)、ピボットシフトテスト(Nテスト)が陽性です。
これらの所見が見られるようですと、整形外科受診を勧めます。
レントゲン写真、関節穿刺(関節内出血の有無をみる)、MRIを行い診断がつきます。前方引き出しテスト、ラックマンテスト、ピポットシフトテスト、Nテスト

 

どんな治療があるの?

  1. 患部の安静・アイシング
  2. 手術
  3. テーピング
  4. 運動療法・リハビリテーション
  5. インソール療法

放置しておいていいの?

関節の中に存在するため、血行が乏しくいったん断裂すると自然治癒することはありません。
放置していると、靱帯による制動が効かなくなるため、スポーツ時や階段を降りるときに膝くずれを起こします。
この膝のグラグラを放っておくと半月板が傷んでしまいます。
さらに半月板が摩耗すると関節軟骨の損傷もみられます。

 

術後の運動療法

前十字靱帯再建術後の運動療法は、靱帯の修復過程をもとに負荷量を変更しなければなりません。
ハーフスクワットやランニングなどの負荷の強い運動は術後12週以降が望ましいとされています。
術後12週以降、スポーツ復帰に向けての運動療法が始まります。
この運動療法は再断裂の予防を念頭においた動作の習得が必要であるため、いくつか注意点があります。
重心を後方に残したままスクワットなどを行ってしまうと、手術した部分に負担がかかってしまいます。
また膝が内側に入る動きもよくありません。


(図;関節機能解剖学に基づく 整形外科運動療法ナビゲーションより引用)

 

テーピング

アルコット接骨院で行う前十字側副靭帯損傷に対するテーピング

①膝の上下にアンカーテープ(黒)を巻きます。

アルコット接骨院で行う前十字靭帯損傷に対するテーピング

②もう1本重ねます。


アルコット接骨院で行う前十字靭帯損傷に対するテーピング

③スパイラルテープ(赤色)を巻きます。


アルコット接骨院で行う前十字靭帯損傷に対するテーピング

④反対側からスパイラルテープ(青色)を巻きます。場合によっては、スパイラルテープの数を変更します。


アルコット接骨院で行う前十字靭帯損傷に対するテーピング

⑤アンカーテープ(黒色)を巻いて完成。

(筆者;麻多 聡史 アルコット接骨院院長、柔道整復師、オーソティックスソサエティ認定フットケアトレーナーマスターライセンス、ペディグラス社認定足爪補正士、3M社認定テーピングマイスター、Smart tools認定IASTMマニュアルセラピスト、FMS ,SFMA)