肘部における橈骨神経障害

橈骨神経の走行

橈骨神経とうこつしんけいは、腕の後面を下降して、肘のあたりで2本の神経(深枝しんし浅枝せんし)に枝分かれします。
深枝は後骨間神経こうこっかんしんけいともよばれ、運動だけを支配します。浅枝は感覚だけを支配します。

 

絞扼性神経障害こうやくせいしんけいしょうがいとは

詳しくは、肘部における正中神経障害(絞扼性神経障害とは)のページをご覧ください。

 

肘部における橈骨神経障害

橈骨神経は、肘の後面で2か所のトンネルの中を通過します。
トンネル内で神経が絞めつけられ障害を起こすことがあります。


(図;関節機能解剖学に基づく 整形外科運動療法ナビゲーションより引用)

高位橈骨神経麻痺こういとうこつしんけいまひについて

高位橈骨神経麻痺とは

神経が2つに枝分かれする以前に、橈骨神経溝とうこつしんけいこうという溝の部分で神経が圧迫を受け、マヒを呈します。

 

高位橈骨神経麻痺の原因

橈骨神経が上腕骨じょうわんこつのすぐ後ろを通過するため、外からの圧迫を受けやすく、
また、骨折などで橈骨神経が傷害を受けやすい状況にあることが原因です。

 

高位橈骨神経麻痺の症状

  • 親指・人さし指・中指の甲側を含む手の甲から前腕の親ゆび側の感覚障害
  • 下垂手かすいしゅ

高位橈骨神経麻痺の治療

上腕骨骨幹部骨折後じょうわんこつこっかんぶこっせつごの麻痺は、自然回復の可能性が高いといわれています。
自然回復を待つ間に、拘縮こうしゅく(関節が固まってしまうこと)を予防することが大切です。
3ヵ月ほど様子をみて全く回復しないものや麻痺が進行するものでは手術が必要になります。

 

低位橈骨神経麻痺ていいとうこつしんけいまひについて

低位橈骨神経麻痺とは

神経が2つに枝分かれした後に、回外筋かいがいきん入口部のフローゼのアーケードという狭いトンネルの部分で
橈骨神経の深枝(後骨間神経)が圧迫を受け、麻痺を呈します。後骨間神経麻痺こうこっかんきんまひ回外筋症候群かいがいきんしょうこうぐんともよばれます。

低位橈骨神経麻痺の原因

骨折などの外傷が原因で引き起こされるもの、使いすぎが原因で引き起こされるものがあります。
手や腕をひねる動きを多く繰り返す、指揮者やギター奏者、あるいはテニスやバドミントンなどのスポーツ選手に起こることがあります。

低位橈骨神経麻痺の症状

  • しびれ・感覚障害はない
  • 下垂指かすいし

低位橈骨神経麻痺の治療

  1. 回外筋を使いすぎている場合は安静
  2. 超音波療法による血流改善
  3. 筋膜治療
  4. 病院で投薬治療、ステロイド注射、手術

 

Wartenberg症候群とは

橈骨神経浅枝が前腕において、筋肉の間で絞扼されて発生します。
神経の支配部分に痛みとしびれを生じます。手首や指の動きは正常です。
治療としては肘、前腕、手関節などのストレッチを行いますが
症状が改善しない場合は、病院で注射・手術などを検討します。